【Mrs. GREEN APPLE】歌詞・感想 Attitude ”書き綴られた歌は 私のそう、遺言”
こんにちは、ヒロキです。
2019年10月2日にMrs. GREEN APPLEの4thフルアルバム「Attitude」が発売されました。「青と夏」や「僕のこと」、「ロマンチシズム」などこれまでのシングル曲も収録されております。(公式サイトはこちら→ https://sp.universal-music.co.jp/mrsgreenapple/attitude/)
前作の3rdフルアルバム「ENSEMBLE」が2018年4月発売だったので、およそ1年半ぶりのフルアルバムです。待望!
まだ聴いてない!って人は是非聴いてください。ド直球。
Mrs. GREEN APPLE - 4th Full Album「Attitude」ダイジェスト映像
さて、今回取り上げたいのはアルバム表題曲「Attitude」です。
表題曲ということでアルバム全体の指針となっているのかな~とか思って聴いてみたのですが
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは アルバムの表題曲を聴いたと
思ったら いつのまにか大森さんの表題曲を聴いていた」
な…何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…
(古のポルナレフコピペ)
この曲……アルバム表題曲どころの騒ぎじゃねぇ……
大森さんの表題曲じゃん……
そうなんです、「アルバムの表題曲」に収まらないスケールの曲でした。
恐れ入りました、脱帽です。
ということで新曲「Attitude」の個人的見解垂れ流し感想ブログ、スタートです。
- 1.「本物」と、曲作りに対するattitude
- 2. ”キャッチーなメロディーに隠れるは そう、偶像”
- 3. ”「腐ってなんかは居ない」 この世は腐ってなんかは居ない。”
- 4. ”書き綴られた歌は 私のそう、遺言”
- 5. 総評、Mrs. GREEN APPLEのこれまでとこれからに
1.「本物」と、曲作りに対するattitude
まず「Attitude」の話をする前にめちゃくちゃ”そもそも”の話をするんですが、音楽の世界でもそれ以外の世界でも「本物」を作ることができる人間がいると思います。
人は「本物」に触れられたとき、心が動かされる。「本物」だけが心の琴線に触れることができる。
どんなに必死に「本物」を真似してみてもそれは本物の模倣でしかないし、偽物はやがて淘汰されていきます。そして「本物」を作る人間は、どこまでも作品に対して真摯です。打算や邪念を取り払った先でしか産まれ得ないのが「本物」なのだろうと思います。
そういった人は作品を「作らざるを得ない」、ある意味で。外発的な要因ではなく内発的な熱情によってそうするしかないから作品を作る。そうして作られた作品に嘘はないし、嘘がないからこそ人の心に響くんだと思います。
この「作らざるを得ない」という部分、大森さんにも当てはまると思っています。今までのライブMCやインタビューなどから総合して、大森さんもまた「作品を作らざるを得なかった」人なのだろうと。2018年のENSEMBLE TOURのMCだったと思うのですが(記憶だよりで正確な引用元はないです…)大森さんはこんなことを言っていました。
みんなご飯食べに行ったり、遊んだり、友だちと話したり…そうやってストレスを発散すると思うけど、それが自分にとっては「曲を作る」ことだった
多分ほとんどの人はストレスを発散させないと死んでしまうでしょう。意識的であれ無意識的であれ、何らかの形で自分の心を整理して、色んな感情に折り合いをつけているはずです。それが彼にとっては曲作りだった。自分が考えたこと、感じたこと、嬉しい気持ちも、やるせない思いも、全部曲にしてきたんじゃないか。
そして、そういった彼の曲作りに対する態度が全て込められているのがこの「Attitude」。だからこのタイトルなんだなと。
ちなみに”attitude”という単語の意味を辞書で引くとこのように出てきます。
態度, 姿勢; 考え方, 意見, 判断
the opinions and feelings that you usually have about something, especially when this is shown in your behavior
つまり「作品を作らざるを得ない」彼がどんな心構えで、どんな姿勢で曲を作るのか、そして彼にとって「曲を作る」とは何を意味するのか。それが全てドーーン!と示されたのがこの「Attitude」。 その意味でこの曲は単なるアルバムの表題曲ではない、「大森さんの表題曲」だと思います。
ここに来てこの曲を提示してきたミセスの覚悟、強いです。
2. ”キャッチーなメロディーに隠れるは そう、偶像”
はい、ここからは私が「Attitude」を聴いて
う、うわ~~~~~!めっちゃいい!!!好き!!!!
って思った歌詞について語っていきます。ドンドンパフパフ~ (私は音楽的に楽曲を分析するだけの知識がないのでそういうのは専門家に任せて、私は私のやり方でミセスが好きっていう気持ちを表現していきたいと思います!)
まずこちら
まずメロディーに乗せる愛を探しながら
阿呆みたいに今日もね
何かを信じて心躍らすのが
A.t.Ti.Tude
私のA.t.Ti.Tude
キャッチーなメロディーに隠れるは
そう、偶像
キャッチーなメロディーに隠れるは
そう、偶像
偶像隠れてたーーーーーー!?!?偶像が隠れてたんかーーーーー!?!?(心の声)
いや、もちろん喩えなんですけどね!
もしMrs. GREEN APPLEってどんなバンドですか?って質問があったとしたら、”模範解答”が「ポップで爽やか、キャッチーなバンド!」になってしまう危うさがあると思うんですやっぱり。もちろんそういう一面があることは確かだし、本人たちもそういったパブリックイメージを上手く使っている部分はあると思うんですけど。
でも、ミセスの魅力ってそれだけじゃないじゃないですか!ねぇ!!歌詞とか結構すごいこと言ってるよ!?「たまに殺意が芽生えるわ」とか歌ってるよ!?
「ポップで爽やか、キャッチーなバンド!」っていうイメージから一歩踏み込んでみたら、そこに広がっている世界はどうやら思い描いていたものとは少し違うらしい。そういう聞き手側が「キャッチーさ」の裏に感じとるものを「偶像」って表現しちゃうの、めっちゃしびれます。やっぱり天才だ~!
3. ”「腐ってなんかは居ない」 この世は腐ってなんかは居ない。”
続いてこちらの歌詞
「腐ってなんかは居ない」
この世は腐ってなんかは居ない。
どうかそんな歌を歌わせてよ
ずっと
…
………
これ大森元貴哲学だーーーーーーー!!
これだよこれこれーーーー!!!!!
(なにそれ?って思った方は過去記事参照。)
私が言うところの大森元貴哲学=「Attitude」で大森さんが語っている心構え
まさにこれ!!まさにこのこと!!私が言わんとするところは!!!
ミセスの曲では端々に表現されている観念だと思うのですが
「どんなにこの世界が汚くて、苦しくて、どうしようもないものであったとしても
絶対に希望は残っているし、愛を諦めてはいけない」
これが私の考える、大森元貴哲学。
今までの曲の中で一番と言っていいぐらい「Attitude」はこの大森元貴哲学の濃度が濃いなと思いました。
彼の曲作り、ひいては人生観にまで踏み込んできた今回の「Attitude」、やはり根幹にあるのはこの観念であると思います。
4. ”書き綴られた歌は 私のそう、遺言”
最後に取りあげる歌詞はこちら
産み落とした子達は
私のそう、心臓
(中略)
書き綴られた歌は
私のそう、遺言
遺言なんです、彼の歌は。
この歌詞を最初に聴いたときの衝撃がすごかった。曲作りを、「自分を表現する手段」なんかに留めていない。曲は彼にとって自己表現の手段どころではない、自分の心臓なんだ、遺言なんだというあまりにも強烈なメッセージ。
みなさんは遺言って書いたことありますか。読んだことありますか。人によっては身近なものかもしれないし、全く触れたことのないものかもしれない。少なくともミセスと同世代ぐらいの人の遺言を読む機会はあまりないんじゃないかと思います。
人間が死という逃れがたい事象を眼前にして、何を思うのか、何を伝えるのか。そして自分は今までどうやって生きてきたのか。そういった自分の生に極限まで向き合って書かれるのが遺言であると思います。最初の話とも繋がってくるんですが、誰のものであっても遺言は「本物」だと思うんです。遺言に対して不誠実であるのは、自分の生に対しても不誠実であることになってしまうから。
自分の心臓とも、遺言とも言える程の大切なものを嘘偽りなく届けてくれるからこそミセスの曲はちゃんと響くんだなぁとしみじみ感じました。
5. 総評、Mrs. GREEN APPLEのこれまでとこれからに
ここまででMrs. GREEN APPLEの4thフルアルバム「Attitude」について、私の思うところを述べてきました。私が聴いて感じたことであって、決してどれが正解とか間違ってるとかそういう話ではないと思うので、あくまで一個人の見解に留めていただけたらと思います。
自ら書き綴った歌を「遺言」と表現したことからわかるように、すべての楽曲が彼の人生を映している。自分の歩んできた道、感じたこと、全部。既存の楽曲でも至る所に彼の人生観はちりばめられていたけれど、「Attitude」ほど濃密に表現されている曲は今までにないような気がします。単なるアルバムの表題曲ではない、彼の表題曲。その苛烈とも言える程のメッセージをアルバムの最初に入れてきたことからも、これまでの彼らの生き様と、これから前に進んでいくにあたっての覚悟のようなものを突き付けられたなと思いました。
大森さんにとって歌とは何なのか、そしてMrs. GREEN APPLEとは何かを、このタイミングで聞き手に届けることが必要だと感じたのかもしれません。
「Attitude」はMrs. GREEN APPLEがこれまで歩んできた道、そしてこれから進んでいく道の道標になる曲だと思います。